【怖い話】かもめかもめ
かごめかごめ
かごのなかのとりは
いついつでやる
よあけのばんに
つるとかめとすべった
うしろのしょうめんだーれ
諸説はいろいろあるけれど
かごめかごめ
→籠女(かごめ)=妊婦
かごの中の鳥は
→お腹にいる赤ちゃん
夜明の晩に
→夜明けは、もうすぐ太陽の光が
見えるはずなのに晩とあるので闇
鶴と亀と滑った
→鶴と亀はおめでたい事柄なのに
滑るということは良くない事が起きた
後ろの正面だーれ?
そこには誰もいないよ?
だって産まれてこなかったから。
昔の話。
マンションの管理人が聞いてもないのに、俺の部屋に住んでいた前の住人のことについて話してきた。
一人暮らし初日でやらないといけないことが山積みだったけど、初日から無愛想もどうかと思い、笑顔で耳を傾けた。
笑顔で聞きいてはいたけど、頭の中では役所行った後にデパート行って...といった感じで今後のスケジュールで頭がいっぱいな状態。
それにしてもよく喋る管理人だな。
結局、
前の住人は若い夫婦で確か赤ちゃんがいたっていうことだけは理解した。
ある日の夜。
睡魔が襲ってくる
夢の世界へ歩もうとしたそのとき
赤ちゃんの泣き声
隣の家からか...?
いや、違う!
耳元だ。
夢の世界の入口から強制的に現実に戻されたので、俺の眠りを邪魔する泣き声の主を確かめてやろうと起き上がろうとした...ら
金縛りで身動きが取れない。
ふん。だからどうした?
身体が硬直してても一箇所だけほんの少し動く部位がある。
それは手の中指。
両手の中指を円を描くように動かすと、面白いように金縛りが解けることを知っていたので早速実践。
ほらね?
自由を取り戻し、辺りを見回すと...思った通り誰もいない。
夢だったのかな?
と頭を掻きながら寝床に戻る。夢の割には鼓膜がジンジンする。
そんな日が毎日続く...が慣れって怖い。
耳元で叫ばれようが、またか!と思うだけで無視して寝れるようになる。ちなみに動こうとすると馬鹿の一つ覚えのように金縛り。解くのも面倒くさいからそのまま寝る。
それから数日後。
泣き声はしなくなったけど、寝てたら足首を掴まれる感触が。手の大きさはやたら小さい。赤ちゃんの手だ。
金縛りにあいながら、こういう霊って無視するとエスカレートするからすぐ除霊しろって何かの本で読んだな...と後悔している間に
足首の次は太もも、太ももの次は腰、ずりずりと這うように登ってきた。
嫌な予感的中。
赤ちゃんの力なんてもんじゃない、激高した大人の腕力に匹敵するぐらい力で首を絞められる。
あかん
中指をくるくる円を描き緊急脱出。くっそ!やっぱり辺りに誰もいない。
-
- -
余談ですが、金縛り中って目を開けることが出来るのですが、一度目を開け、視界の中に俺の足元でスキーウェアを着た人が立ってた時があります。
泥棒か...?短い人生だったな...でも、どうせやられるんだったら顔を拝んでやる!
足元から徐々に視線をあげ、正直驚いた。
首から上がない。
でも、生身の人間じゃないのがわかったので、そのまま寝てやった。けど、これがきっかけで金縛り中に目をあけないようになったのは内緒の話。
さて、どうするか。除霊してもらうか?
一人で悶々と考えてたら夜が来たので、いつものように寝てみたら、またズリズリからの首絞め。
芸がないな。
頭の中で問いかける。
何がしたい?
すると予想外に首絞めが止まり
何か耳元でゴニョゴニョ聞こえてきた。
何か訴えたいんだな。
次の日も足首掴まれ、語りかける。
次の日も次の日もその次の日も。
霊のことよくわからないけど、最初何言ってるのかわからなかったのに徐々に言葉になってきて、足首掴むその手も少しづつ大きくなってるし、霊でも成長するんかな?と疑問に思った。
ある日の晩。夢を見た。
見たことない女性がお礼を言ってる。その女性の手をしっかりと握りしめる女の子。顔はぼやけて見えないけど、どういたしましてと頭を下げたところで夢からさめる。
それ以降、パタリと怪現象はおさまり、あれはなんだったんだろうなぁとおもむろに天井を見上げる。
フラッシュバック
管理人が言ってた言葉。
若い夫婦で確か赤ちゃんがいた。
確かってなんだ?
赤ちゃんがいたら確かという言葉は使わないんじゃ?
あ、思い出した。
お腹の中に赤ちゃんが確かいた
っ言ってた。
奥さんが思い詰めた顔してたのが印象的だった。
とも言ってた。
点と点が線になる。
赤ちゃんは死産
お母さんは思い詰めて
赤ちゃんに会いに行っちゃったんだ。
かごめかごめ
かごのなかのとりは
いついつでやる
よあけのばんに
つるとかめとすべった
うしろのしょうめんだーれ
ここにいるよ
愛しい愛しい
私の赤ちゃんが。
ちなみに、もう一度前の住人のこと確かめたくて管理人に会いに行ったら、急に倒れて集中治療室にいるって言われた。
この間まで元気だったのに。
貴女の仕業ですか?